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〜サルバの町〜 そんなこんなでサルバの町につく。 「ここが長老の言っていた隣町のサルバか・・・」 確か鉱山の町といっていたが・・・ なるほど、町の向こうに大きく鉱山が掘られた山が見える。 そうでなくても全体的に寂しい雰囲気を受けるが、 鉱山の周りに無造作に置かれた鉄筋の山がいくつもあり、 それに拍車をかけているようだ。 ・・・アーリアとは対象の雰囲気だ・・・ 田舎で人が少ない、という点では同じだが、 アーリアはのどかで安全な町のように感じられたのに対し、 サルバは殺伐としていて、不衛生だ。 鉱山があるからだろうか、空気も全体的に砂埃っぽく、 髪がぱりぱりになる。 髪についた砂をかき落とす。 「さて・・・」 ふうっと一息つき、あたりを見回す。 すると・・・ 「おいお嬢ちゃん!いてえじゃねえかよ!」 「言いがかりはやめてよっ!」 男数人と、女の子の声。 周りには少しの人だかりが出来ている。 どうやら何か言い争っている様だ。 ・・・やれやれ、思った通り治安が悪そうだ・・・ 心でそうつぶやきながら人だかりの中に入る。 その中心で男三人に囲まれた女の子がいた。 「言いがかりだぁ?お嬢ちゃんが先に俺たちにぶつかってきたんだろーが。」 「し・・・知らないわよ、そっちが先にぶつかって来たんじゃない!」 男が攻め立てるが、女の子はそれに言い返す。 周りの野次馬はそれを見て適当にざわついている。 と、そこで男が女の子の襟をつかんだ。 「いいから付き合えってんだよ!」 「いやっ!はなしてっ!」 女の子がもがく。 ・・・助けようか? 1.助ける 2.見てみぬふり やれやれ・・・ 周りの野次馬も誰か一人ぐらい止めればいいのに・・・ とりあえず足元に落ちていた小石を一つ拾い上げる。 それを男の頬めがけて投げつけてやった。 ヒュッ!ピシッ! 「っ!?」 見事命中。 「ッてえ!誰だ!」 予想通りの反応。 男があたりを見回す。 「!」 その隙をついて女の子が男の足を踏みつけた。 不意打ちに、怯む男。 女の子はそこで男につかまれていた手を振り解き、逃れる。 頭の両側に結んだ髪を翻しながら、くるりと反転、 路地へと向かって逃げ出した。 「―!!待ちやがれ!!」 その後を男たちが追う。 女の子が走る先に曲がり角。 僕はそこに先回りをした。 たたたたっ・・・ 女の子が角を曲がってくる。 女の子に手招きをする。 「!?」 「しっ!僕の後ろへ・・・」 女の子を隠すように自分の後ろへとやる。 そこにちょうど男たちが走ってきた。 そして・・・ 「くそっ!待ちやがれこのアマ・・・」 男たちが角から飛び出した瞬間! ひょいっ。 足を男の進路上に差し出す。 かっ! 「うわぁッ!?」 男たちが全速力でひっかかり、 ダイナミックにこけて数メートル吹っ飛ぶ。 その先には果物屋の屋台・・・ どがががっ!! 見事に屋台に突っ込んだ。 ひっくり返った屋台からりんごがごろごろと転がる。 男たちはりんごの山に埋もれて目を回していた。 自分自身足を出しただけでこれほど派手にこけてくれるとは思っていなかったので、 その様子にしばしあっけに取られていた・・・。 ・・・こんなときは見て見ぬふり。 触らぬ神にたたり無しっと。 そのまま野次馬に混じって少しの間その喧嘩を眺めていたが、 どちらも一歩も引かず、進展も無いのでその場を後にすることにした。 遠ざかったところで誰かの制止の声が聞こえたので、 きっと野次馬の中の誰かが止めてくれたのだろう。 ・・・ま、関係無いか。 1.お使いを頼まれている 2.お使いを頼まれていない 「助けてくれてどうもありがとう!」 歩きながら女の子が笑う。 とりあえずここまで離れればもうあの男たちが追ってくる心配は無いだろう。 「っていっても、僕は足出しただけなんだけどね。 それにしてもここはずいぶん物騒な所なんだね・・・」 あたりを見回しながらいう。 どうもさっきの様な、いかつい男たちが多い。 うっかりぶつかろうものなら、またからまれそうだ。 「違うの! あいつら大きい顔してるけど、このサルバの人じゃないのよ。 ここ2〜3週間位前からこの町に増えてきたのよ。 うわさじゃあ町長の息子が雇ってるらしいんだけど・・・」 ・・・弾丸のようによくしゃべるな。 「町長の息子が?何でまた?」 女の子が首を傾げて困ったような顔をする。 「さあ・・・よくわかってないのよ。 それにああいうゴロツキを雇ってるだけじゃなくて 落盤だって言って鉱山も閉鎖してるみたいだし・・・」 なるほど・・・ それでどうも寂れた雰囲気だったのか・・・ 鉱山の町が鉱山閉鎖してるんだから仕方ない。 「うーん、 町長様が留守中なのをいいことに何か悪いことでも考えてるのかしら・・・」 1.お使いを頼まれている 2.お使いを頼まれていない お使いを頼まれていたので、とりあえず手近な人に町長の屋敷の場所を聞く。 どうやら町の東端のようだ。 町の様子を眺めながら歩く。 途中、何度かさっきのようなゴロツキとすれ違った。 皆いかつい体つきをし、大工のような格好をしている。 「・・・ねぇねぇ、鉱山、落盤が起きたらしいわよ・・・」 そんなゴロツキ達ににらまれながら歩いていると、町の人の立ち話が聞こえた。 耳を傾けてみる。 「それで鉱山が閉鎖になってるのねー」 鉱山が閉鎖?じゃああのゴロツキ達はいったい・・・ 「あ、その話なら私も聞いたわ。 ・・・でもうわさによると、落盤は嘘で、町長の息子が閉鎖させてるらしいわよ・・・」 「何でまた?」 「さあ・・・そこまでは知らないけど・・・ でもあのゴロツキ達も、町長の息子が雇ったらしいし。 なんだか物騒よねぇ・・・」 町長の息子が雇ったのか・・・ どう言う事なんだろう・・・ 落盤に見せかけて鉱山を閉鎖。そしてゴロツキ達・・・ そんな事を考えているうちに、町長の屋敷につく。 なるほど、町長の家だけあって、大きい。 「・・・すみません、町長さまに届け物があって、アーリアから来たんですが・・・」 「あ?届け物? ・・・すまねぇが、今町長は留守だ。出直してきな。」 門の前にいるのもまたいかつい男。 要件を告げると、ぶっきらぼうにそう答えた。 内心怒る心を押さえる。 どうやら町長は留守らしい。 ・・・無駄足になってしまったな・・・ とりあえず、他に特に用事は無い。 ・・・仕方が無い、一度、アーリアに帰るか。 「えっ、町長様いないの? 困ったな・・・僕は町長様に用事があってきたんだけど・・・」 「そうだったんだ。じゃあ無駄足になっちゃったわね。」 うーん、残念。 まあ仕方がないな。 「これからどうするの?」 残念そうにしている僕を見て、女の子が話題を変えてくれた。 「うーん、特に用事もないし、アーリアに帰ろうかな・・・」 街の出口に向かって歩き出しながら答える。 と、それを聞いた女の子が前に回りこんできた。 「えー、もう帰っちゃうの?残念だな・・・」 道をふさぐようにして言う。 そして数秒考えた後、ぱっと顔を上げた。 「あ、じゃあじゃあ、ちょっと着いてきてよ!」 と、腕をつかんで走り出した。 いきなりだったので足がもつれて転びそうになった。 三回ほど角を曲がったところで女の子は止まって、 つかんでいた腕を放す。 と、そこは一軒のお店の前だった。 「ちょっと待っててね。」 そう言うと、女の子はお店の中に入っていった。 看板を見上げてみる。 看板にビンの絵が書いてある。 どうやらここはジャムの専門店のようだった。 ドアを開けて中に入り、女の子を探す。 女の子はカウンターの奥の棚をごそごそと探っていた。 待つこと数分。 「お待たせー」 女の子が腕いっぱいにジャムのビンを抱えてやってきた。 「ここはね、私のお店なんだ。 はいっ、これ、助けてくれたお礼。」 そう言って、女の子はジャムを渡してくれた。 「わざわざ来て手ぶらで帰るのも、なんでしょ?」 「えっ?いいのかい?」 驚いて聞くと、女の子はにっこり笑ってOKサインをだしてくれる。 女の子の出してくれたジャムを受け取る。 「ありがとう!ありがたくもらうよ。 ・・・そろそろ行くね、それじゃあ!」 お礼を言って、お店を出る。 「ねぇーっ!」 村の出口に向かって走り出した僕の背中に元気のいい声がかかる。 振り返ると女の子が店の表まで出てきて手を振ってくれていた。 「あたしユキ! また来た時もジャムおまけするから、サルバに来たらぜひ寄ってねー!」 「ありがとう!ぜひそうさせてもらうよ!」 手を振り返して答える。 そしてまた出口に向きかえり、サルバの町を後にした。 ―いちごジャムを手に入れた! 特にする事も無いので、適当に町をぶらつく。 町の様子を眺めながら歩く。 途中、何度かさっきのようなゴロツキとすれ違った。 皆いかつい体つきをし、大工のような格好をしている。 「・・・ねぇねぇ、鉱山、落盤が起きたらしいわよ・・・」 そんなゴロツキ達ににらまれながら歩いていると、町の人の立ち話が聞こえた。 耳を傾けてみる。 「それで鉱山が閉鎖になってるのねー」 鉱山が閉鎖?じゃああのゴロツキ達はいったい・・・ 「あ、その話なら私も聞いたわ。 ・・・でもうわさによると、落盤は嘘で、町長の息子が閉鎖させてるらしいわよ・・・」 「何でまた?」 「さあ・・・そこまでは知らないけど・・・ でもあのゴロツキ達も、町長の息子が雇ったらしいし。 なんだか物騒よねぇ・・ 町長様が留守中なのをいいことに何か悪いことでも考えてるのかしら・・・」 町長の息子が雇ったのか・・・ どう言う事なんだろう・・・ 落盤に見せかけて鉱山を閉鎖。そしてゴロツキ達・・・ そんな事を考えているうちに、大体町を一周した。 とりあえず、特に用事は無い。 ・・・そろそろ、アーリアに帰るか。 「なんだか大変なんだな・・・」 「まったくよ! 鉱山は閉鎖、加えて、あんな男たちがうろうろしてるものだから、 あたしのお店の売上も激減しちゃって・・・ 迷惑しちゃうんだから!」 うーん、このスピードで言われると、なんとも説得力がある・・・ それにしても、お店をやっていたのか・・・ 今度来たときは寄らせてもらおう。 そんな事を考えながら女の子と町を歩いているうちに、だいぶ時間がたったようだ。 朝早くにアーリアを出発したが、もう日は正午を少しすぎるころになっていた。 「・・・それじゃあそろそろアーリアに戻ろうかな。」 街の出口に向かって歩き出しながら言う。 と、それを聞いた女の子が前に回りこんできた。 「えー、もう帰っちゃうの?残念だな・・・」 道をふさぐようにして言う。 そうは言われても、大して用事があったわけでもないので、 あまりここに長居する必要も無い。 「ま、またそのうち遊びに来るよ。」 そう言って、町の出口へ向かう。 「ねぇーっ!」 村の出口に向かって走り出した僕の背中に元気のいい声がかかる。 振り返ると女の子が手を振ってくれていた。 「あたしユキ! ここでジャムの専門店をやってるの! おまけするから、今度サルバに来たらぜひ寄ってねー!」 「ありがとう!ぜひそうさせてもらうよ!」 手を振り返して答える。 そしてまた出口に向きかえり、サルバの町を後にした。 |
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