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〜レジスの家〜 朝。 明るい日差しが窓から差し込んでいる。 今日もいい天気のようだ。 チチチ・・・ 小鳥のさえずりが聞こえる。 「ううむ・・・こまったのう・・・」 朝起きた僕の耳に一階からレジスの声が聞こえてきた。 きれいな朝日の中、一回うんっと伸びをして起き上がる。 昨日はよく眠れなかった。 いろいろあって考えることが多かったし、 レナのことも気になっていた。 あの後レナは戻ってこなかった。 場の空気が重くなっていたため、皆一度解散となった。 レナが戻ってくるかもしれない、と思った僕は レナの家に泊まるのもなんだか気が引けて、 長老のレジスのところで一晩お世話になることにした。 服装を整えて、一階へと降りる。 「おはようございます。」 階段下のレジスに声をかける。 何やら難しい顔をして考え込んでいたレジスがはっとして振り帰った。 「おお、クロードさん。よくお休みになれましたか?」 「はい、おかげさまで・・・すみません、お言葉に甘えさせていただいて・・・」 あまり眠れなかった、というのが本心だが、 わざわざ泊めてくれた上に、いろいろと気を使ってくれていたレジスに これ以上はあまり心配させたくなかった。 「いやいや、こちらもいろいろとご迷惑おかけしましたからな・・・ ご自分の家と思ってくつろいで下され。」 レジスが答える。 「ありがとうございます・・・ ところでどうかなさったんですか?お困りのようですケド・・・」 朝一のレジスの言葉と、先ほどの顔が浮かんだ。 案の定、レジスはその質問を聞いて困ったような顔をした。 「いやなに、 ちょっと届け物があったのですが、今日は用事があって家にいなければならないのです・・・」 なるほど、だから困っていたのか・・・ それじゃあ・・・ 1.世話になったので手伝う 2.面倒くさいから手伝わない 「それじゃあ僕が行きましょうか?」 隣町ならばすぐに行けそうだ。 ちょうど暇だったし、 お礼と、散歩と、この星のことについて聞くのにちょうどいい。 「よいのですか!?」 即答した僕にレジスが驚く。 「はい。一晩お世話になったことですし・・・」 もちろん僕は快く引き受けた。 「では・・・これをサルバの町長バーンズ氏に届けて下され。」 そう言って一つの小包を渡された。 中に手紙も添えられているようだった。 「サルバはこの村の北にある鉱山の町です。 街道沿いに行けば一時間足らずでつくでしょう。」 「わかりました、では行ってきます!」 渡された小包をしっかりと握り締めると、 振り帰ってドアへ向かった。 と、僕の背中をレジスが呼び止めた。 「ああ待ちなさい、クロードさん! ・・・これを持って行きなされ。村の外は何かと物騒じゃから・・・」 そう言って渡されたのはロングソードだった。 「・・・光の剣は目立ちすぎますからな・・・」 レジスが小声で言う。 確かにそうだ。 それにエネルギーに限りがあるし、 威力が強すぎるからむやみに使いたくはない。 それ以外に武器を持たない僕にとってはとてもありがたかった。 「ありがとうございます!」 ロングソードを受け取り礼を言うと、僕は早速出発した。 ―ロングソードを手に入れた! 「そうなんですか・・・ 長老って、大変なんですね。」 まだこの星に来て一日も経っていないのに そんなお使いをしているひまはなかった。 いろいろと情報収集をしたかったし、一刻も早くもとの惑星に戻らなければいけない。 僕は長老の話をなんとなく流した。 「ところで・・・クロードさんはこれからどうされるのですかな?」 長老が話題を変えたので、どうやらお使いはしなくてよくなりそうだ。 しかし確かにこれからどうしようか・・・ 「そうですね・・・ とりあえず隣町にでも行ってみようと思います。 まだこの惑星のことについてあまり知らないですし、もしかしたら帰る方法が見つかるかもしれないですからね。」 「そうですか。ここから一番近い町ならばサルバですかな。 サルバはこの村の北にある鉱山の町です。 街道沿いに行けば一時間足らずでつくでしょう。 ・・・では私は忙しいのでこのへんで失礼させていただきます。 また何かわからないことでもありましたらなんでも聞いて下され。 知識は人一倍豊富なつもりですのでな。」 少し得意げに言うレジス。 長老、というのだから確かに知識も経験も豊富なのだろう。 本当はレジスにもいくらか話を聞いてみたかったが、 忙しそうなので遠慮しておくことにした。 「ありがとうございます・・・では、行ってきますね。」 振り帰ってドアへ向かった。 と、僕の背中をレジスが呼び止めた。 「ああ待ちなさい、クロードさん! ・・・これを持って行きなされ。村の外は何かと物騒じゃから・・・」 そう言って渡されたのはロングソードだった。 「・・・光の剣は目立ちすぎますからな・・・」 レジスが小声で言う。 確かにそうだ。 それにエネルギーに限りがあるし、 威力が強すぎるからむやみに使いたくはない。 それ以外に武器を持たない僕にとってはとてもありがたかった。 「ありがとうございます!」 ロングソードを受け取り礼を言うと、僕は早速出発した。 ―ロングソードを手に入れた! 〜レナの家 玄関〜 「―えっ、レナ・・・いないんですか?」 家の前で洗濯物を干していたウェスタさんに聞き返す。 「そうなの・・・あの後帰ってはきたんだけどボーっとしてて・・・ またついさっきフラっと出ていっちゃって・・・」 ウェスタさんが困ったような顔をして答えた。 レジスの家を出発した僕は、まずレナの家を訪ねた。 初めてのこの星で、案内役としてレナに着いてきてもらいたかった。 昨日のことが気になっていたこともあったし、 レナと話せるいいチャンスだと思ったのだ。 「そうですか・・・すみません、ありがとうございました。」 ウェスタさんに挨拶をして、別のところへ向かうことにした。 1.レナに村の東を案内してもらっている 2.レナに村の東を案内してもらっていない 「・・・そう言えば昨日レナに村を案内してもらったとき、 父さんが仕事でいない子供たちとよく話してるっていってたな・・・」 ウェスタさんの支度を待つ間村の案内をしてもらったときのことを思い出した。 「もしかしたらあの家へ行ったのかもしれないな・・・」 とりあえず僕は子供たちの家に行ってみることにした。 「ごめんください〜」 「あ、この前レナお姉ちゃんと一緒にいたお兄ちゃんだー!」 二人の子供が駆け寄ってくる。 やはりまだ二人の父さんは家に帰ってきていないようだ。 家の中を見渡しても、二人しかいないようだった。 ・・・レナも、いないな・・・ 「どうしたの〜?」 男の子が玄関で立ったままの僕に話し掛けてきた。 「あ、ごめんごめん・・・・あの、レナを知らないかな?」 二人はよくレナと話しているようだったから、 もしかしたらレナがどこに行ったか知っているかもしれない。 もし知らなくとも、どこにレナがよく行っているか知っているだろう。 そして予想どうり、女の子のほうが答えてくれた。 「レナお姉ちゃんならあたし知ってる! レナお姉ちゃん、神護の森に行くって言ってたよ。」 レナは神護の森にいるのか・・・ そういえばあそこが好きだって言ってたっけ・・・ 居場所がわかってちょっとほっとしていた僕の耳に、 女の子の言葉の続きが聞こえてきた。 「・・・でも今日はお姉ちゃん寂しそうだったよね―」 僕ははっとした。 続けて男の子が話す。 「うん・・・いつもは楽しそうに勇者様のお話してくれるのにね〜」 勇者の話・・・ やはり昨日のことだろう・・・ 落ち込んでいるのかな・・・ 自分は勇者ではないのだから責任はないとはいえ、 結果的にレナを傷つけたのは自分なのだろう。 そう考えると胸が痛んだ。 ・・・とりあえずレナの居場所がわかったんだ。 会いに行ってみよう。 「・・・わかった、神護の森だね?ありがとう・・・」 「うんっ!じゃあね、お兄ちゃん。」 見送る子供の無邪気な声が余計に胸に響いた。 〜神護の森〜 神護の森に着いた僕はあたりを見渡した。 誰も・・・居ないな・・・ ただ鳥達のさえずりが聞こえるだけだった。 「もう少し奥へ行ってみよう・・・」 入り口付近しか来たことのない僕は、森の奥まで入っていくことにした。 と、一番奥に木々に囲まれた少しの広いスペースがあった。 そこにスポットライトのように木々の木漏れ日がさしている。 レナはその中央に立ち、木々を見上げていた。 「レナ・・・」 呼んだ声に気づき、レナが振り返った。 「クロードさん・・・」 悲しそうな顔つきと声に、戸惑う。 「おはよう・・・」 「おはよう・・・ございます・・・・」 あまりにも単純な会話。 そこで途切れてしまった。 何を話せばいいのかわからず、気まずい雰囲気になった。 少しの沈黙のあと、レナが先に口を開いた。 「あの・・・昨日は・・・すみませんでした・・・ 勝手に・・・大騒ぎしてしまって・・・」 レナが丁寧に謝る。 そんな様子に、なんだか自分が責めているような感覚がした。 明るく話がしたかったし、もともと道案内を頼もうと思っていたのだから、 今の気まずい雰囲気に僕はあせった。 「いやッ!勘違いされてもしょうがないよ!! 自分でもかなりアヤシイ奴だと思うしッ!!」 何とか取り繕おうとする。 「・・・本当にごめんなさい・・・」 しかし丁寧に誤ってくれるレナ。 ・・・まいったなあ〜 心の中でそうつぶやき、どうすればいいのかあせった。 僕があせっているうちに、レナはまたむこうを向き、木々を見上げていた。 「・・・クロードさん・・・」 「ん!な・・・何!?」 不意に呼びかけられ、なんだか無理やり明るく振舞って答える。 レナが振り返る。 そして・・・ 「・・・早く・・・もとの世界に戻れるといいですね。」 レナが微笑んでいった。 予想外の言葉だった。 レナ自身傷付いているだろうに、僕のことを心配してくれている。 レナの悲しそうな笑顔に、すぐにそうだとわかった。 胸が痛んだ。 ・・・レナ・・・ 「すみません・・・ 少しの間・・・一人にしておいてもらえますか・・・?」 僕はレナの言葉にどうすることも出来ず、ただその場を去った。 先ほどのレナの悲しそうな笑顔が、僕の頭に焼き付いて離れなかった。 しかしレナはどこにいるんだろう・・・ 僕には探す当てがなかった。 「・・・しかたがないか。 きっと昨日のことで一人になりたいんだろうな・・・」 また胸が痛んだ。 これ以上探しても無駄だろう。 ・・・一人でいくことにしよう。 〜アーリアの町入り口〜 「あ、旅人のお兄ちゃん外へいくの?」 旅支度を整えて町の入り口まで来た僕に、入り口の脇に立っていた少年が話しかけて来た。 「ああ、そうだよ。」 少年の目がきらきら輝いている。 きっと村の外に出たいのだろう。 しかし昨日の話によるとソーサリーグローブの影響で各地で異変が起きているそうだから、 それで村の外に出るのを禁止されているといったところだろうか。 「やっぱりそうなんだ!すごいなぁお兄ちゃん。いいなぁ・・・ 僕もつれてってほしいよ。」 案の定、外に出たいと言い出した。 でも外が危険なのは事実。 ここは止めるべきだろう。 「でも村の外は危険だ。僕は君を連れて行くことは出来ないよ。」 そういったとたん、少年のほっぺたがぷうっと膨れた。 「そんなこと知ってるやいっ! お兄ちゃんこそモンスターに食われないよう注意しなよっ!」 どうやら怒った様だ。 ・・・しかたないな、子供は。 「ご忠告ありがとうさん。 でも僕はそんなへまはしないさ。」 と、言いつつも実際モンスターがどれほどのものかはまったく知らないが。 僕はかっこつけてそういった。 子供はさっきまで怒っていたのに、すぐに感心しだした。 単純だな。よくいえば純粋というのか。 「へえ〜、お兄ちゃんって強いんだ。 あ、じゃあこれあげるよ。きっと僕が持ってるよりも役に立つだろうし。」 そういって少年が差し出したのは小さな木の実だった。 村の雑貨屋で見かけたことのある木の実だ。 効果はたしか・・・ 「これ、アクアベリーって言って、毒を中和してくれるすごい木の実なんだよ!」 丁寧にも少年が説明してくれた。 「そうなんだ。物知りだね。ありがたく使わせてもらうよ。」 僕がそういうと、こんなの常識だよっと言いながらもどこかうれしそうだった。 「じゃあ気をつけてね、お兄ちゃん。」 元気よくてを振る少年。 見送ってくれた少年に礼を言って、僕は村を後にした。 ―アクアベリーを手に入れた! 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