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〜町長の屋敷・一階〜 「レナっ!!」 叫んで屋敷の中へと駆け込む。 返事は無い。 周りを見渡しても、人の気配は無い。 どうやら誰もいないようだ。 「・・・くそっ!」 屋敷は左右対称のつくり。 正面に二階へと上る大きな階段が二つ。 一階には左右と中央、三つの扉。 1.二階へ昇る 2.左の扉に入る 3.右の扉に入る 〜町長の屋敷・二階〜 大きい階段を二階へと駆け上がる。 二階は階段を中心に、左右横に長い通路になっていた。 通路の先には、扉。 1.左の扉に入る 2.右の扉に入る 〜町長の屋敷・食堂〜 左の扉を開けて中へ駆け込むと、そこは食堂のようだった。 大きなテーブルに椅子が並んでいる。 奥には厨房がある。 何か手がかりが無いか、くまなく探す。 と、厨房の隅に綺麗なボトルの水を見つけた。 明かりが消えて暗い厨房にあってなお、ほのかに光って見える。 「・・・これは?」 手にとって見る。 見覚えがある。 村の雑貨屋に、冒険の必需品として薬草類と並んで置いてあったはずだ。 ボトルは傷ひとつなく、滑らかだ。 口が開いている。 ひとしずく手にとり、飲んでみる。 「!・・・すごい・・・」 体から疲れが抜けていく。 生命力が沸いてくるようだ。 「役に立つかもしれない、もらっていこう。」 他に手がかりがないか確認するが、 それらしいものは特にない。 部屋を後にし、今度は二階へと向かった。 ―リザレクトボトルを手に入れた! 〜町長の屋敷・居間〜 右の扉を開けて中へ駆け込むと、そこは居間のようだった。 大きなソファーときらびやかな絨毯。 この町の寂れた雰囲気には似合わない。 「・・・ん?」 ふと視線を上げてみると、 ソファーの奥、綺麗な細工の施された棚に、蓋の開いた空箱が乗っていた。 これにも棚に負けない煌びやかな細工が施され、見るからに高級そうだ。 宝石箱のようにも見えるが、中の造りはまるで占いの水晶を載せる台のようになっている。 何か大切なものが置かれていたのだろうか? そのクッションのような布に、微かだが細かな粒が残っていた。 「なんだろう・・・」 指にとり、調べてみる。 淡い色がついており、光を反射して綺麗に輝く。 鉱石の一種だろうか、どうやらただの砂などではないようだ。 今まで様々な星で調査をしてきたが、このような鉱石は見たことがなかった。 しかしこれだけの粒ではよくわからない。 箱の大きさから考えて、ここにはこの鉱石の塊が飾られていたのだろう。 「・・・いずれにせよ、レナの居場所の手がかりにはなりそうにないな。」 あたりを見まわすが、他にもそれらしきものはない。 ・・・しかたがない、他を探そう。 箱を元に戻す。 部屋を後にし、今度は二階へと向かった。 〜町長の屋敷・寝室〜 左の扉を開けて中へ駆け込むと、そこは寝室のようだった。 家具の雰囲気やデザインから、その部屋の主が若者であるとわかる。 恐らく、ここがアレンの部屋なのだろう。 何かないか部屋の中を見まわす。 窓際に置かれた天蓋つきの大きなベッド。 そしてその脇にかけられた絵を見て、驚いた。 「あれ・・・これって・・・!」 そこにかけられた絵に描かれていたのは、紛れもなくレナだった。 優しく微笑んでいる。 背景に描かれた木々や光から見て、場所は神護の森だろう。 その絵から敵意や悪意などは感じられない。 レジスから聞いた話によると、アレンは昔よく村へ遊びに行っていた様だから、 この絵はきっとそのときに描いたんだろう。 ・・・カタッ 「?」 何かが傾くような音に振り向く。 音が鳴ったのは部屋の奥のようだ。 目を凝らしてみる。 するとそこには・・・ 「・・・これは・・・全部レナか・・・」 そこには、何枚ものレナの絵が立てかけられていた。 どれも、レナの活き活きとした姿が描かれている。 絵を描くためにレナに立っていてもらった、というよりも、 自由に遊んでいるレナを描いた、という印象を受ける。 いや、きっとそうなのだろう。 「もしかして・・・アレンは・・・レナのことを・・・」 なんとなく居心地が悪い気分になった僕は、ある程度調べると、部屋を後にした。 〜町長の屋敷・書斎〜 右の扉を開けて中へ駆け込むと、そこは書斎のようだった。 一番上の棚には手が届かないような高さの本棚が何列かずらりと並ぶ。 手前の列から順に調べていく。 綺麗に整頓された本。 種類別に分かれ、複数巻に渡っているものは巻数順に並んでいる。 いたって普通の本棚ばかり。 手がかりはなかなか見つからない。 気持ちだけが焦る。 そしてついに残るは扉から一番離れた列。 この部屋にも手がかりは無いのかと諦めかけたその時。 「あれ・・・?」 最後の列の最後の本棚。 その本棚だけ今までの本棚とは決定的に違っていた。 本が整列していない。 急いで本を押し込んだようだ。 何冊かは足元に落ちてしまっている。 そして・・・ 「・・・これは・・・レナの髪飾り・・・」 落ちた本にまぎれて、黄色い月の髪飾りが覗いていた。 丁寧に拾い上げる。 レナはここにいた? でも今はいない。 それならばここを通ってでこかへ? しかしこの部屋のドアはひとつ。 どこか別の部屋につながっているわけではない。 混乱する僕の横を、涼しい風が通り抜ける。 「―風?」 気づく。 風がかすかに吹いている。 なぜか本棚から。 「まさか・・・」 本棚に手を掛け、一気に横へとずらす。 たくさん本が並んでいる割に、軽い。 そして本棚が動いた先に、隠し扉が口をあけていた。 地下へと続く階段。 「レナはこの奥か!」 壁に手をつき、慎重に階段を下りていく。 階段を下りると、その先は鉱道へと通じていた。 なるほど、鉱山の閉鎖はこのためか。 この先に、いったい何があるのか。 「レナ、今行くからな!」 薄暗く先の見えない鉱道に向かって叫ぶ。 レナの髪飾りをきつく握り締め、僕は坑道へと駆け出した。 |
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